学芸員技術研修会「展示グラフィックと集客ツール」のセミナーのご報告

2017/08/23  セミナーのご案内

8月21日に、沖縄県北谷町役場において、学芸員技術研修会「展示グラフィックと集客ツール」のセミナーを行いました。

町役場といっても、まるで市役所級の建物です。

沖縄全土からたくさんのミュージアムの学芸員さんが集まっていただきました。

集客するためには、どんなチラシやポスターが必要なのか、どんなところに注意して作成すれば良いのか、というテーマで、朝の十時から夕方五時までびっしり講義。グループワークや各グループのプレゼンテーションなども織り交ぜた研修です。チラシだけではなく、展示パネルのデザインについても様々な事例を紹介しながら、読みやすさ、展示の世界観の表現から、文字組やフォントなど細かい部分の具体例を示しながらの解説をし、学芸員の皆さんがご自分でパネルを作成することができるような内容になっています。

九州産業大学様の主催で毎年九州を巡回して行っている研修ですが、今回は沖縄での開催です。人数もこれまでの最高の63名の応募をいただきました。好評をいただいているこの研修ですが、九州産業大学の緒方先生の御尽力で毎回巡回しています。みなさんの感想をお聞きすると、本当にこのような研修の意義は大きいなと感じています。私もミュージアムが大好きなので、学芸員の皆さんに本当に頑張って欲しい!と強く思っています。

6時間の研修ですが、やることが多くてあっという間です。本当はもっとみさなん一人一人とお話をしたりしながらできるとなお良いのですが、それは懇親会で。

みなさんからアンケートの感想をいただきましたので、公開いたします。(許可はいただいています)

 

●チラシ作りにおいて特に印象に残ったことは、情報は多い方が良いということ、人を入れたら注目度が250%に上がること、日時は小さく載せても興味があれば見てくれる(見つけてくれる)ということなどです。
キャプション制作においては、行間、文字間、文字組みなどを整えただけで格段に見やすくなることなどで、とても大事であると思いました。
今回の研修会に参加して、チラシやキャプション制作において、確かにそうだと思う事がたくさんあり、目からウロコの連続でした。
特にキャプション制作において、行間、文字間、文字組みや書体の選択など、ちょっとした細かいことですが、それらをきちんと整えることで、格段に見やすくなることの大切さを知り、大変勉強になりました。
今回学んだことを少しでも活かせるように、これから頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。 -銘苅あやの様

 

●一番驚いたことは、チラシは裏より表だということです。
今まで裏に細かい表現ばかりして、表はただのデザインだと思い続けていた為です。
また取りあえず自分が伝えたいことを1番に出そうとしていたこと、これが間違えだったということに気づき今後は客観的にお客様目線で「知りたいこと」がより伝わるものを作っていこうと思いました。
そして今回先生の講義を受け、他館の方々と関わり、わが社はもっと学芸員のアピールを増やすべきだととても感じました。
普段は聞けない他館の方々からの客観的な意見と、少し表現を変えるだけで伝わり方が全然変わってくるという魔法のような改善点を沢山共有し合えることが出来、とても勉強になりました。
ありがとうございました。
またこのような研修会があれば是非参加を希望したいです。 -本多 菜々花様

 

●コピーライティングの6つのステップが特に勉強になりました。今後チラシを作るたびに思い出してチェックしようと思います。
すぐに仕事に生かせそうな、具体的なヒント・アドバイスが多く得られ、実りの多い研修でした。第2段があれば、また受講したいです。 -玉元孝治様

 

●博物館での集客を、マーケティング戦略として考えるというのが目から鱗でした。必要な情報をきちんと盛り込むというのも、実践したいと思います。
講座を受けてから、他館のチラシや企業の広告などを見る目が変わりました。楽しい講座をありがとうございました。 -刀禰 浩一様

 

●フォントや文字の大きさの使い分けがよくわからず、今までなんとなくで作業していましたが、基本的なことから分かりやすく解説していただいたので次回からのチラシやキャプション作りがスムーズに進められそうです。
意見の出しやすい雰囲気の中で、持参したチラシについての正直な評価もいただけて、これからの仕事の意欲が湧きました。ありがとうございました。 -K.M様

 

●自分ではお客様目線で作成していたつもりだったが、実はそうではなかった点。
講座など受けた結果その人にどのような変化をもたらすか。などが印象深かった。 -A.F様

 

●ついつい「一部のわかる人」に向けて「いいたい事」だけになっていると反省。お客様が「知りたい事」、メリットとなる事、それらをいかにイメージできるかが大切と実感しました。
また、広報物の評価基準や仕様書のチェクシートなど、とても具体的でわかりやすく、次回の作成物から参考にできればと思っています。
これまで手さぐりでチラシ等を作成していましたが、基準となるものが学べてよかったです。業者任せになってしまったり、「忙しいからしょうがない」と言い訳してみたり、「もう少し早く学ぶ事ができたなら」と反省ばかりです。今後、学んだ事を少しづつでも生かしていきたいと思います。 -M.K様

 

●今までは、見せる側からの視点でモノづくりをしてきましたが、今回の講義で、見る側からの視点がいかに重要なのかが如実にわかりました。
文字の行間・文字間・改行の重要さ、手に取ってもらえるための情報量の大切さ、売り出したい点などの視点を細かく知ることが出来、他館の学芸員の視点も知ることが出来たので、自館の欠点・改善点が明確になったので、課内の職員との情報共有を行い、実践していきたいと思いました。
チラシの添削など、実際の資料を使っての講義は、とても分かり易く、問題点の提起が明確だったので、勉強になりました。 -Y.A様

 

●日時等の情報が大事と思っていたが、必ずしもそうではなかったこと。
大変参考になりました。 -M.N様

 

●今までやっていたチラシ作成の「こうあるべきだろう」がすべて覆されて目からうろこな情報ばかりでした。(日付は小さくしても見る、詳しい情報は裏面に載せるのは間違い!)など。
今回受講した内容をもう一度再確認し、チラシ作成のNGを犯さないようにしたいと思いました。
解説パネルの見易さも今後意識しながら作成していきたいと思います。
大変ためになるセミナーだと思いました。たくさんの気づきがあってよかったです。今後もびしばし辛口コメントでお願いしたいと思います。 -H.I様

 

●高い専門性が問われる学芸員において、自分の専門とする展示については特に力が入るところである。これまで自分が関わった展示会では力が入る余り頭でっかちになってしまいチラシ作成などの面で独りよがりな広告を打ってしまうことが多々あった。今回の講義を受けて「知らない人に興味を持ってもらう」、「メリットを明確に」という視点は大変参考になった。今後の展示会などでは知らない人への伝え方をもっと工夫してより多くの方へ興味を持ってもらえるようにしたいと思う。
専門の道にどっぷり浸かっていると一般的な感覚が薄れていくのでマーケティングの視点や一般的な視点というのは大変参考になります。 -N.H様

 

●あまり関心がなかったが、チラシ広告でも気にしていくことが大切だと気づかされました。校正について役立てていけるのではないかと思いました。貴重な講演ありがとうございました。 -K.S様

 

●集客をできるチラシづくりを、細かく学べてすぐに次の企画に取り入れていけそうです。 タイトルももう少しキャッチーなものにするという点も、上司を説得し何とかやり通してみたいと思っております。
単刀直入な講義の内容で、とても分かりやすかったです。
販売用ディスプレイのセミナーがあれば是非参加してみたいです。 -M.O様

 

●コンセプトを決めてマーケティングを行うこと、メリット、魅力、価値を伝えること、自分がお客様になったつもりの視点を持つことなどが印象深かったです。
チラシのチェックポイントや、仕様書作成のチェックシートなどセミナーが終わった後でも、業務に実際に使えるシートはセミナーに来られなかった職員も驚いていました。これからの広報活動で、活用できるようにしっかりと復習したいと思います! -C.O様

 

●参加者が持ち寄ったチラシを評価し、改善点を話し合うワークは、本当に刺激になりました。他の博物館のものであっても、似たような失敗をしていることがあり、グサグサと胸に刺さりました。今後、チラシを作る際に、職場のメンバーでチラシ評価をやってみます。
熊谷先生が、デザイナーはかっこいいチラシを作れるけど、それだけではお客さんは来ない、と断言されたのが印象的でした。情報を入れ込むとダサくなる、しかしチラシのかっこよさよりも、お客さんが知りたい情報、メリットをはっきりと打ち出すことが集客につながると教えていただきました。また、チラシやホームページに展示資料や写真をあまりたくさん掲載すると、実際に見た時の感動が薄れてしまうのではないかと思っていましたが、もったいぶらずに作品の写真をたくさん入れた方がいい、ホームページに作品を載せるほど人が集まる傾向があると聞き、参考にしたいと思いました。チラシで終わりではなく、詳しい情報が盛り込めるホームページにつなげる大切さも理解できました。
博物館への関心度を表すピラミッドや、高級感・カジュアル×伝統的・新しさの図、チラシ評価シートなど、図で見たり、書き込んだりすることで、何が重点なのか明確になりました。
企画展のタイトル、コピー、チラシ、展示パネルのテキストの分量や書体・サイズ、美しい文字組みなど、次の企画展からすぐに役立つことばかりでした。パネルと実寸大の見本を壁に貼って確認する作業は、「できればやる」つもりでしたが、「必ずやる」に変わりました。
普通のチラシやテレビCMを見るときも、「これはイメージ訴求かな」とか、「この部分がメリットの提示になっている」などと考えるようになりました。
企画展を準備している今のタイミングで、この研修を受けることができてよかったです。この研修で学んだことを大いに生かしたいと思います。 -N.K様

 

●講義は、参加者が実際に作成したチラシをもとにグループワークを行う形式だったため、自分の所属組織以外で客観的に批評してもらう貴重な機会となった。
特に、チラシの一方的な批評ではなく、作成者側の意図を聞きながら、改善点を話し合うことができたので良かった。
また、情報発信側の「伝えたい情報」が、必ずしも受ける側のメリットと直結しないこと、きちんと伝わらないケースが多いことを実感することができた。
集客数を増やすためには、受け手の需要を分析した上で、興味関心を惹きつけるデザインを考える過程がとても重要であることが学べた。
今回学んだことを生かし、10月に企画しているイベントの、強みやターゲット層の需要を分析した上で、チラシやHP情報発信に取り組みたい。
私は学芸員資格を持っていませんが、講義の内容は実例紹介が多く、実際に自分が目にしたことのある具体例も取り上げられていたことで、とても内容が理解しやすかったです。
講義終了後の質問で、「チラシだけに頼らず、HPでの情報発信など複数のツールを活用すること」をアドバイスいただきました。
多くのことを学べましたが、印刷代はなくとも自身で努力できる方法にはできるだけ挑戦していこうと思います。 -A.K様

 

●展覧会の面白さを知っているのは学芸員であるという言葉は新鮮でした。
面白さを伝えるために、どんなコピーにするのか、雰囲気を伝えるためにどんなフォントや色を選択するのか、さらにそれらは何となくではなく、それぞれにマトリックスによるエビデンスがあることなど。
多彩な気づきを与えていただいた講座でした。ありがとうございました。 -I.O様

 

●人は文字が多すぎると読まないということがよく言われるので、近年のチラシなどは出来るだけシンプルなデザインの採用に偏っていましたが、講義の中で話されていたように、確かにチラシを見て来館したいと判断できる情報を載せる必要があると感じました。
また、普段、展示パネルの解説文などの行詰めをすることはあっても文字詰めまでは意識して行っていませんでしたが、文字詰めも行ったパネルの見やすさに感心したので、今後取り組んでいきたいと思いました。
今回の講義をとおして、チラシは集客のためのツールなので、マーケティングに基づいたものを作成しないと見てもらえない、手に取ってもらえないというのがよく分かりました。また展示グラフィックではフォントの良し悪しなどもデザイナー視点の評価が聞けて良かったです。
今後は今回の講座の内容を活かしながら、懇親会でよく聞いた「で、どうなの?」とお客様に思われないチラシ作りに取り組んでいきたいと思います。それがすごく難しいとは思うんですが。
もし機会があれば、また熊谷さんのお話を聞いてみたいと思いました。熊谷さんの手がけられた仕事も改めて見てみたいと思います。 -N.G様

 

●博物館でチラシを主に製作してますが、熊谷先生がおっしゃっておられた、「伝えたいことではなく、知りたいことを載せる。」という言葉が印象に残りました。今後はその点に気をつけて、チラシの製作をしていきたいと思います。
チラシやポスターの内容やデザインが、博物館の集客に影響することを改めて知りました。「博物館は人が来ない所」という自分の意識を変えなければいけないと反省しました。また、チラシやポスターを製作する際に、担当者だけでなく、職員みんなでたくさん考えて、協議していくことも今後取り入れたいと思いました。
限られた研修会の中でフォントの種類や、行間などの細かなところまでご指導いだたき、本当に勉強になりました。 -M.T

 

●これまでチラシを作る際、できるだけ文字数(情報)を少なくした方がスッキリするし、見やすいと思っていましたが、「情報量が少ないと行こうか判断できない」というのは、目から鱗でした。
締め切り等の都合で、内容がはっきりしないまま(少ない)情報を載せる事が多いので、チラシに載せるその企画の「価値」をもっと企画者からも引き出し、その「価値」を伝えるチラシづくりをしていきたいと思いました。
また、見た目(デザイン)ばかり気にしていましたが、タイトルやキャッチコピーにも力を入れて、「おもしろそう!」と思ってもらえるチラシを作っていきたいです。
今回のこのセミナーは、これまでの自分のチラシづくり(デザイン)を見直す良い機会となりました。世界観を作りあげる、フォントやレイアウト等、意識できてるなと確認できた部分もあれば、載せる情報の量、大きさ等、これまで悩みながら、でも何が正解なのかわからないと思っていた部分の道が一つ開けた気がします。
また、他館のチラシを講評したり、グループディスカッションしたことも、いろんな意見が聞くことができたし、他館の取り組み方や、お互いの悩みを共有できて良かったです。講義だけでなく、他館との交流、熊谷さんからの直の講評があるのもこのセミナーの「価値」だと思います。
このセミナーに参加して良かったです。 -M.U様

 

●「デザインの選択は経営判断」という言葉が印象に残るというか、ショッキングでした。
市町村の博物館で臨時職員をやっていた頃、広報誌の作成なども仕事の一部としてありました。企画展やイベントのお知らせのページでは、日時の情報がきちんと入っているか、読みやすさ・見やすさはどうか、という点には意識を持っていたつもりですが、キレイでカッコイイものにする事に意識が行きがちで、マーケティング的な事は考えたことがなかったというのが本音です。
私がいたところは市町村立でしたので、人が来た方が良いけれど、人が来なくてもそうすぐ潰れるわけではないためか、どうにも経営的な感覚というのが身についていないのかもしれないと思いました。
とはいっても予算が厳しいという話はよく耳にします。要らない施設と言われないためにも、「今日も人来ないね~」で済まさす、人を呼べるようなアピールができるモノが作れるよう、もっと考えていきたいと思います。
「情報はいっぱい乗せよう、結構文字は読んでくれる」ともお話でありましたが、今回のセミナー受けてからどうにも雑誌や週刊誌が気になります(笑)
ゴシップ系の週刊誌は普段読まないのですが、ふっと見た表紙に気になる見出しを見つけた時、ちょっと読んでみようかな、という気持ちになるので、まさに先生の言ったとおりだ!と感じています。
80%の人を引き付ける情報をきちんと見せる事の大切さを忘れないようにしたいと思います。
要望としましては、読んで楽しい、必要な情報のわかる広報誌の作り方の講座とかもあればうれしいなと思います。 -Y.K様

 

●ポスターやパネルを作成する仕事が多いのですが、今まで、企画書と担当者が選択した写真とタイトルをもとに、その企画展の強みが自分でもはっきりしないまま、きれいにまとめようとしていただけだったように思いました。
自分の伝えたいことではなく、お客様の知りたいことを言う・書く、というのは、作成時忘れないようにしたいと思います。
今まで、デザインの力を磨くことばかり考えていたように思います。
特にコピーに関して苦手意識があったので、熊谷先生に教えていただいた方法で考えていくと、前に進める気がしました。
企画書がおりてきたのを何とかチラシにしようとあがいていて、仕事に行き詰っていましたが、講義後は企画展の強みを探していけるような提案もできるようになりたいと思います。翌日から仕事が楽しくなりました。
字切れなども、細かい部分にこだわって直しても誰も気づいてもらえなかったのですが、初心に戻って、お客様に喜んでもらうために自分にできることをしていきたいと思います。
想像していたより、たくさんの収穫がありました。
講義に参加させていただき、ありがとうございました。 -Y.K様

 

●キャプションの見易い色組み合わせやフォントの違いなど。今後当館でキャプションを作成する際に大変参考になりました。
今回のセミナーも前回同様、自館での作業だけでは学べないノウハウを教えていただき勉強になりました。来年以降もまた沖縄に来て頂けるのを楽しみにしています。 -H.K様

 

●展覧会の情報や施設のアクセスなど、重要なことはチラシの表に書くことが大切で、特にチラシ上部の1/3に展覧会のタイトル・日時・場所などを明記することが重要だということを知ることができました。今回の研修会で学んだことを生かし、お客様の立場になってチラシやポスター、キャプションなどを作成していきたいです。
展覧会のチラシをお客様に読んでもらうにはどうしたら良いか、どのように作成したら読みやすいか等、相手の立場になって考えてみることが必要だと感じることができました。また、キャプションもただ文字を並べるだけでなく、文章の区切りがよく読みやすいようなキャプションを作成していきたいと思います。 -S.Y様

 

+++++++++++++++++感想ここまで

 

たくさんの感想をいただきまして、感謝します。
参加していただいた方、どうもありがとうございました!